子どもに複利を伝えるには

利息を残しておくと、次はその利息にも利息が付きます。少額の例から、単利との違いを一緒に比べてみましょう。

複利は、前に付いた利息も次の計算に含める仕組みです。誰かの名言を覚えるより、同じ元本、同じ期間で増え方を比べると分かりやすくなります。早く始めた人の将来が必ず有利になるわけではなく、入れる額、費用、利率や運用結果にも左右されます。借金の利息にも関わる考え方です。

最初の例:チェス盤と米粒の話

昔話には、チェス盤の最初のマスに米を1粒、次に2粒、その次に4粒と、倍ずつ増やしてほしいと頼む人物が登場します。小さな数でも、繰り返すと驚くほど大きくなります。64番目のマスだけで2の63乗粒です。最初の数マスを絵やコマで確かめてみましょう。

これは毎回倍になる計算で、現実の口座の利息とは違います。「前の結果に同じ割合を掛ける」という共通点を確認し、この増え方を現実の投資で期待しないことも伝えましょう。

お金の例:貯めるびんにおまけを付ける

仮の実験として、月末の残高に5%を加える約束を考えます。最初が1,000円なら、1回目は50円を加えて1,050円、2回目は52.50円を加えて1,102.50円です。端数の扱いを先に決め、表の上だけで試しても構いません。月5%は銀行の一般的な利率を示すものではありません。実際に渡すなら、家族が負担できる条件にします。

新しく入金しなくても、前に付いた利息を残すと次の計算の対象が増えることを確かめます。すぐ理解できなくても、残高と利息を別々に書いて比べましょう。現実の投資は値下がりもあり、一定の割合で増え続ける保証はありません。

グラフで増え方を比べる

計算に慣れたら、毎月1万円を51年間積み立て、年8%が一定で続くと仮定したグラフを作ります。月末に入れるのか、利息をどう計算するのかもそろえましょう。後半の曲線が急になる様子を比べられますが、これは税金や費用、値下がりを含まない仮の計算で、将来の予測ではありません。

長い期間では、積み立てた額に加え、それまで増えた分も計算に含まれます。同じ期間でも、利率、入金時期、費用などで結果は変わります。「時間があれば必ず増える」ではなく、条件を一つずつ変えて確かめましょう。

72の法則

割り算に慣れたら、72を年利の数字で割ると、元本が約2倍になる年数の目安が出ることを紹介できます。年8%なら約9年、年6%なら約12年です。一定の利率で複利計算する場合の近似で、正確な年数や運用成果を保証する式ではありません。

たとえば10万円を年8%で増やし続けられると仮定すると、約9年で20万円、約18年で40万円という目安になります。実際の複利計算と少し違うことも電卓で比べましょう。税金や費用、途中の出金があれば結果はさらに変わります。

説明で気をつけたい二つのこと

注意1:増える話だけにしない 借入でも、契約によっては利息や費用が重なり、返済の負担が増えます。貯金が増える例だけでなく、返済額や金利を変えた例も比べましょう。すべての借入が同じ複利の仕組みではないので、実際の条件を確認します。

注意2:期間の違いを省かない 一年後と十年後など、複数の時点を並べて比べましょう。短い期間でも複利は計算できます。長期だけを正解にせず、近いうちに使うお金はいつ必要なのか、投資の値下がりに耐えられるかも考えます。

日々の判断にどうつなげる?

複利を学ぶことは、次の三つを考える手がかりになります。理解すれば必ずこう行動する、という約束ではありません。

1.無理なく残せる額を考える 少額から始める方法もありますが、生活に必要なお金や借入の金利も含めて判断しましょう。高い利息の返済と貯金のどちらを優先するかは、状況によって異なります。

2.借入の総額を確認する 借りた元本だけでなく、利息、手数料、返すまでの期間を見ます。毎回の返済額が小さくても、合計の負担が軽いとは限りません。

3.使う時期と期間を合わせる 長い期間の目標でも、途中の値下がりや費用は無視できません。短期の成績や他人との順位を追うより、目的に合うリスクと期間を考える練習にしましょう。

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